2012年8月5日日曜日

第3回火起こし選手権を開催しました。

滋賀県埋蔵文化財センターにおいて、3回目を数える火起こし選手権を開催しました。火起こし選手権とは、古代の火起こし器の復元品を使ってどれだけ早く火を起こせるかを競うもので、当時の人々の火を起こす苦労を体験していただく目的もあります。今年は小学生高学年部門と親子部門(小学生低学年以下と両親もしくは祖父母)の2カテゴリーを設定、各20組の参加を事前申し込みで予約いただきました。
公式練習場も設けました

当日は雨も降らずに湿度も低いため、火起こしには最良の条件でした。できた火種でマッチに火がついた時間を記録とするルールです。しかし、13:00より始まった小学生高学年部門では、予選に参加した20人がすべて火がつかないというハプニングが起こってしまいました。そこで、上位入賞者への副賞だった商品券を、頑張った全員に分割してお渡ししました。
白熱する小学生高学年部門

14:00より始まった親子部門では、12組に参加していただきましたが、こちらは予選で好記録が続出(最高は47秒)。上位4組による決勝では、予選で頑張りすぎたためか、それよりもタイムは落ちましたが、それでも優勝した組は2分台で着火。3位は5分間の本戦と3分間の延長戦でも決着がつかず、最後はジャンケンとなりました。子供よりもお父さんの方が真剣になる場面もあちこちで見られ、夏休みのひと時を楽しんでいただけたかと思います。

ドローに終わった親子部門3位決定戦

なお、副賞につきましては、各協賛企業さま(イオンモール草津さま、石山寺門前洗心寮さま、琵琶湖汽船株式会社さま、フォレオ大津一里山さま)からご提供いただきました。

2012年8月4日土曜日

連続講座文化財もの知り学2012第4回を開催しました

連続講座「文化財もの知り学2012」第4回は、8月4日に「大国近江の壮麗なる国府-大津市史跡近江国庁跡」と題して、当協会調査整理課課長心得の平井美典さんが講師を担当して開催されました。大津市の瀬田丘陵にある国史跡近江国庁は、1963年以降、今日までに多くの発掘調査が行われ、約60箇所ある律令期の国庁の中で最も様相が判明しています。また、その多くが公有地化されて、史跡公園として整備されています。高校生の時からこの近江国庁の調査に参加していた平井さんは、滋賀県教育委員会に就職後は、自身が担当して発掘調査を行っています。また、平成22年度に近江国庁に関する著書を刊行し、平成23年度には滋賀県立安土城考古博物館の近江国庁をテーマとした企画展に関わるなど、近江国庁を良く知る研究者の1人です。現在もわかる当時の道の痕跡など、近江国庁跡をよく知るからこそわかる話の数々に、受講者のみなさんも聞き入っておられました。次回第5回は、甲賀市春日北遺跡の調査成果について解説いたします(9月1日開催)。