2013年2月24日日曜日

堤ケ谷遺跡の地元説明会を開催しました


堤ヶ谷遺跡地元説明会の様子

 竜王町の堤ヶ谷遺跡の現地説明会を行いました。今回は地元の岡屋の方々に向けた現地説明会です。堤ヶ谷遺跡は、岡屋集落の西側にある丘陵上の遺跡で、昭和57年に工事の際に発見されました。発見当時、弥生土器などが出土し、高地性集落である可能性が考えられてきましたが、遺跡の性格などは分からないままでした。
 今年度より、丘陵地の造成工事に伴って広範囲に発掘調査を行うこととなりました。今回の調査では、弥生時代中期の竪穴建物1棟や段状遺構が山の斜面からみつかり、多くの弥生土器や石器が出土しました。石器の中には玉砥石や緑色凝灰岩の石核が出土し、玉作りが行われていたことが分かりました。本格的な調査は始まったばかりで、来年度以降も発掘調査は続く予定です。新たな発見を期待しています。
今回の説明会は、時おり吹雪になるあいにくの天気でしたが、地元岡屋の方々、発掘調査の作業に参加していただいた方々など、多くの方が見に来てくださいました。この場を借りてお礼申し上げます。



2013年2月17日日曜日

「あの遺跡は今!PART16」開催しました。

展示の解説風景
今日は16回目になる「あの遺跡は今!」を開催しました。昨日からの雪が,田んぼには残る中,200人を超える方々においでいただきました。ありがとうございました。
 例年の冬の企画では,報告会をメインに遺物展示,整理作業体験を実施しています。今年は「山の営み・湖の営み」と題して,宇佐山古墳群と水資源関連の遺跡群(粟津湖底遺跡他)の整理調査報告しました。
塩津港遺跡の調査成果報告を行っている横田さん
あわせて特別に新聞にも発表された塩津港の木簡も速報展示,調査担当者の横田さんの特別調査成果報告,上御殿遺跡の石釧の展示も行いました。
 塩津港遺跡の遺物前では,新聞発表影響もありカメラを構えて写真を撮る方や熱心に解説を聞く方の姿が印象的でした。
 また,子供たちが,展示品にまつわるクイズを解くために展示品の間をとびまわる姿はほほえましくもありました。


2013年2月11日月曜日

体験タイムトラベル・古代へGO!を開催しました

 
展示した遺物を解説しています
29日~11日、イオンモール草津で「体験タイムトラベル・古代へGO!」を開催しました。この催しは、滋賀県内で見つかった遺跡や遺物を地域の方々に身近に感じてもらおうと、毎年この時期に実施しています。4回目となる今年は、「古代のアクセサリーでGO!」とサブタイトルを付け、装飾品やファッションをコンセプトに実施しました。展示では、縄文時代から古墳時代にかけてのアクセサリーを中心に並べ、ヒスイを使った勾玉などの美しさに、感嘆の声もありました。
勾玉作りは少し根気がいります
 また、古代の衣装体験では、たくさんの女の子がお姫様の衣装を着てにっこりしていました。このほか、勾玉製作体験では、約1時間をかけて、自分だけのオリジナル勾玉を作りました。この企画は、実物と調査員による丁寧な解説で、「地域の文化財を地域の人に」をモットーに続けています。今年は、地元の草津市・栗東市の文化財担当職員の方々にも参加いただきました。次回もぜひご期待下さい。

2013年2月6日水曜日

JR大津京駅構内展示の展示替えをしました。

 「美人のたしなみ」というテーマで、江戸時代中期~後期頃の化粧道具や髪飾りを紹介しています。
展示期間は、1月25日(金)から5月17日(金:予定)です。  展示品は、口紅容器・白粉(おしろい)容器・櫛・簪(かんざし)などで、膳所城下町遺跡(大津市)の武家屋敷と、中畑遺跡(草津市)の茶屋跡の発掘調査でみつかったものです。それぞれの使用方法について、解説をつけています。かわいい茶屋娘(おせんちゃん)のイラストと一緒にお楽しみください♪♪

2013年2月2日土曜日

連続講座文化財ものしり学2012第7回を開催しました

連続講座「文化財もの知り学2012」第5回は、11月からの長い中断期間を経て、22日に「中世まじない絵の秘密-大津市関津遺跡-」と題して、当協会企画調査課長の吉田秀則さんが講師を担当して開催されました。大津市田上にある関津遺跡は、ほ場整備事業や国道改築工事に伴い、近年多くの発掘調査が行われていて、縄文時代から近世にかけての多くの成果が上がっています。吉田さんは、その中でも中世のまじない絵が描かれた板に注目し、それが道教思想にともなう「神像呪符」であり、その背景について解説しました。また、「石敢当」など、道教思想の影響が現代でもみられることなどについても解説しました。われわれの日常生活にも中世の名残が残る話の数々に、受講者のみなさんも聞き入っておられました。次回第6回は、「古墳と集落にみる古代氏族のひみつ」と題して、甲賀市植遺跡と泉塚越古墳の調査成果について解説いたします(32日開催)。